前回の投稿で、「ITとはコンピュータによる情報処理である」と整理しました。
今回は、コンピュータとは何かについて、調べてみました。
コンピュータとは?
今回も、「コンピュータ開発のはてしない物語」を参考にしました。
さて、いずれが世界最初のコンピュータかという話に戻るが、本来コンピュータの発明に関する優先順位は、
1.いつ完成したか
2.「ウィーナーの勧告」を満たしているか
3.「チューリング完全」であるかの3項目を比較して決定すべきではないかというのが本書における考え方である。
「ウィーナーの勧告」とは、1940年に Norbert Wiener によって提唱された自動計算機のあり方であり、具体的には、「デジタル」「電子管(電子回路)」「2進法」「自動計算」「データ記憶」などが挙げられました。
(※Wiener著「サイバネティックス」に関連記載があります)
また、「チューリング完全」とは、一定の手順に従えば答えが得られるような計算が常に可能であること、を意味します。つまりは、上の「自動計算」を、より具体化したものと考えていいでしょう。
さて、これだけだと、ちょっと何言っているかわからない、ですね。
さらに、ブレークダウンしましょう。
デジタル
アナログ(analog)
物質・システムなどの状態を、連続的に変化する物理量によって表現することデジタル(digital)
物質・システムなどの状態を、離散的な数字・文字などの信号によって表現する方式(スーパー大辞林「アナログ」「デジタル」)
かつては、アナログは計量型、デジタルは計数型とも表現されていました。
アナログ(計量型)とは、例えば、温度という状態を液柱の高さで測ったり(温度計)、時間の経過を砂の量で測ったり(砂時計)、あるいは角度で測る(アナログ時計)ように、ある連続する現象や状態を、別の連続するもので測る仕組みです。
これに対して、デジタル(計数形)は、連続する現象から断面を切り出すイメージです。
例えば、デジタル時計は、”11:20:00″から”11:21:00″までの連続する時間は、すべて”11時20分”として、ディスプレイに表示されます。
ちなみに、このように、アナログからデジタルへ変換する仕組みを、「量子化」といいます。
また、デジタルによる表現(デジタル信号)には、2進数だけでなく、10進数の数字、文字も該当します。
電子回路
電子回路: 能動素子を構成要素を含む電気回路
電気回路: 電気を利用するために電源、負荷などの回路素子を導体で接続したもの
素子: 電子回路の部品。電子部品
コンピュータは、「マザーボード」などの電子回路基板(絶縁体の板に導体の配線が施されたもの)と、基板上の電子部品(受動素子と能動素子)による、デジタル電子回路により構成されています。
受動素子は、供給された電力を消費・蓄積・放出する素子で、抵抗器、コンデンサ(蓄電器)などがあります。
また、能動素子は、供給された電力を増幅・整流する素子で、真空管、トランジスタ、集積回路(IC)、というように進化してきました。
計算機
計算機: 計算を正確かつ早く行うための機械
計算: 数や式を演算の法則に従って、結果を出したり式の変形を実行すること
(スーパー大辞林「計算機」「計算」)
さらに、計算機には、アナログとデジタルの両方があります。
アナログ計算機は、日時計、水時計、天球儀、計算尺などがあり、
デジタル計算機は、そろばん、卓上計算機などがあります。
また、「計算」の辞書的な意味は、いわゆる四則演算と言えます。
だとすると、例えば、楽器や調理器具は、計算機には当てはまらないようです。
コンピュータの原理
現在のコンピュータのほとんどは、プログラム内蔵方式(記憶装置から命令を順次取り出して実行)であり、以下の機能により構成されています。
- 中央処理装置(CPU、プロセッサ): 入力装置の情報を記憶装置に読み込み、制御装置が命令を解釈して、演算装置が情報を加工し、記憶装置に結果を書き込んでから、出力装置に伝達する。演算は、2進数のデジタル信号により行われる。
- 入出力装置(I/O): 情報を出し入れするためのもの。主記憶装置(メインメモリ)、補助記憶装置(ハードディスク、SSD、USBメモリ、など)、キーボード、マウス、ディスプレイなど、1つの処理に対して、複数階層のI/Oが実行される。
例えば、計算結果をパソコンのディスプレイに表示する場合、CPU記憶装置→主記憶装置→ディスプレイ、というふうに情報が出し入れされる。
例えば、パソコンの起動時には、内部では、以下のように命令が実行された結果、デスクトップに初期画面が表示されます。
- BIOSの起動: 入力装置(ROM)→CPU(初期化プログラム実行)→出力装置(ディスプレイ)
- OSの起動: 入力装置(補助記憶装置)→CPU(ブートローダ実行)→出力装置(主記憶装置)
まとめ
以上をまとめると、
コンピュータとは、デジタル電子回路により命令を実行する計算機である
となります。